新たな旅立ちにふさわしい
オーダーメイドの衣装。
SHITAKU

子どもの誕生を心待ちにしながら産着を縫う。やがて迎える死を受け入れるための身辺整理。命あるものの誕生と終焉を迎えるための「支度」。
普段は旅支度、冬支度、身支度のように、準備する・身の回りを整えるという意味で「支度」という言葉を使っています。意識こそしていませんが、準備をしながら自然と心を整えることのできる、とても貴重な時間になります。
その意識されない動作や行為には、表には表れない真摯な気持ちを感じとることができます。支度は私たちの暮らしや節目、人生を彩る大切な儀式ともいえるのではないでしょうか。
勝矢和裁では、この支度を「SHITAKU」と名づけ、日本文化のひとつと位置づけし、先人たちが残してくれた暮らしの知恵や習わしの中から、「生」や「死」にまつわる支度について取り上げていきます。

「死支度」という言葉があります。
死を迎える準備として、身の回りの整理をするという意味です。
最近では、自分の人生の週末のためにする活動のことを「終活」といいますが、それに近いかもしれません。
先人の日常着が着物だった時代には、死支度に白装束を自分で縫うなどして用意しておくと、長生きする、厄除けになるといわれていました。時代の移り変わりとともに、着物から洋服、地方から都市、葬儀は自宅から葬儀場となり、今日では白装束は葬儀屋が用意します。
白装束は死者がこの世からあの世へ向かう、旅立ちの衣装です。縁起が悪いものではありません。勝矢和裁では、旅立ちの衣装を故人に着せて見送ってほしいと、習わしを一部取り入れ、一針一針手で縫ったオリジナル白装束を完成させました。死を「新たな旅立ち」と捉え、旅立つ人も見送る人も少しでも気持ちを和らげてほしい…。そんな想いを込めて。
白装束はSHITAKUから生まれた、初めてのオリジナル商品です。

箸を使いこなす日本人は、昔から手先を使う仕事が得意です。和菓子や鍛冶、和紙のような繊細なものをつくる職人もいれば、宮大工や庭師といった自然と調和する空間を作りあげる職人など、すべては手や腕と長年の経験によって完成されたものが数多くあり、世代を超えて私たちを魅了しています。着物を仕立てる技術でもっとも大切な「手縫い」。和裁士も着物文化を支える日本の職人です。

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正絹
正絹写真

美しい光沢、滑らかな肌触り。
肌にやさしい天然繊維。

正絹=しょうけん。まじりもののない絹糸、または蚕が口から出す糸で織り上げた絹100%の織物のこと。「シルク」のほうがなじみがあると思います。最近ではあまり聞かれなくなりましたが、昔は着物や帯の生地と言えばほとんど正絹だったのです。そして、その正絹を染めない白生地で白装束が縫われていました。
正絹は人間の皮膚と同じタンパク質でできているので、直接肌に触れても違和感なく、さらっとした着心地です。天然繊維ですから、燃やすときれいになくなります。白装束は、軽くて光沢のある繊細な正絹だからこそ、ミシンで勢いよく縫うよりも、丁寧に扱える手縫いが適しているのです。

和裁士
和裁士写真

国家資格1級の腕を持つ和裁士が、
一針一針縫い上げる。

着物の仕立て業である勝矢和裁には、着物を手で縫い上げる和裁士がいます。「SHITAKU」を立ち上げた理由に、白装束を通じて手縫いの素晴らしさを知ってほしいというのがあります。それが、「和裁士の技能を後世に残すための使命」であると考えるからです。和裁士のプロフェッショナル集団である当社のなかでも、日本トップクラスの技能を誇る和裁士が「SHITAKU」を縫い上げます。
仕事場では、道具もやり方も昔のまま。正座で、鯨尺という計測方法を使います。針の使い方、手の動かし方、生地によって異なる縫い方、指先で感触を感じながら慎重に縫っていく。一針一針縫う姿は、ミシンを使った騒音のなかでは見られない光景であり、静かに祈りを捧げているようでもあります。

オーダーメイド
オーダーメイド写真

旅立ちの衣装だからこそ、
オーダーメイドで。

着られる方の身長をうかがったうえで、足が少し隠れるくらいの身丈にして縫い上げます。体に合った仕立てにするので、余計なしわもなく、襟元もきれいに整います。
また、女性は生地の花柄を選んでいただき、衿に刺繍を入れることもできます。男性は、家紋を入れることができます。

技を伝え、人を育てる。株式会社勝矢和裁
株式会社 勝矢和裁